SS

□スキキス
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オレは多分、隊長が好きだ。







スモークジャンキーでアル中で、万年負け通しの馬に多額の金注ぎ込んで借金しまくりの、どーしよーもない中年親父なんだけどね。








なんでだろ。


オレ、好きなんだと思う。





だって、隊長の側にいるだけでドキドキして、見つめられると頬が赤くなって、でも目が離せなくて…。







近づいてくる隊長の顔をぽーと眺めて、睫毛長いな〜とか、鼻高いな〜とか、なんで歳食ってるのに皺が一つもないのかな〜て思っていたら、鼻をつままれてびっくりした。








「キスする時は目ぇ閉じるもんだぜ」







その言葉に目を閉じて、オレを蕩ろかす唇を待った。





吸い込まれそうな青い瞳が、オレを映す秘石眼が見れなくなってちょっと残念とか思った。






けれど、そんな考えはすぐに、以外と柔らかいその唇に絡めとられ、また後でたっぷり見ればいいかと与えられる快感を貪った。












オレ、隊長が好きだ。






だってこういうこと、あんたとするの好きだし、あんたじゃなきゃ嫌なんだ。











触れ合う唇から、オレの気持ちが伝わればいいなぁ。












END

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