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□巡り巡るも
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朝と夕方がすっかり冷え始めた。







夜は鈴虫や松虫の合唱会に耳を傾け、近藤さんたちと月見酒を飲み、すすきの穂が揺れるのを眺めて秋の夜長を楽しむ。




木々はそれぞれの色に紅葉し、赤とんぼをよく見かけるようになった。



パプワ島が赤や茶色に染まり、時折吹く冷たい風が頬を掠めれば、秋が来たんだと感じた。








南国の島でもしっかり四季は巡るのだなぁと感心し、同時にどれだけの季節をアイツと過ごせるのだろうかふと疑問に思う。













見上げれば澄んだ青い空が遠くて、すぐそこにあるのに届かないもどかしさに、苛立ちながら手を伸ばしてみた。








「遠いな…」









END

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