レイの神話
□レイの神話…5
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案の定、中にいるのは女子高生ばかりだった。
カップルも何組かいる。
亮と知子は店の奥の方の白い椅子に、白いテーブルを挟んで向かい合って座った。
壁、椅子、テーブル…殆どが白で統一されている。
クリーム色のワンピースに、フリルの付いた水色のエプロンをかけたウェイトレスが注文を取りにきた。
知子はクリームソーダを頼み、亮はアイスコーヒーを注文した。
「いい雰囲気の店だね」
なにを言っていいのかわからず、亮の口からはありきたりな台詞しか出てこない。
「そうね。わたし、こういう店って好きだわ」
店内を見回しながら、微笑んで知子は言った。
なんというか、その知子の可愛い微笑は、周りの白にピッタリとあっていた。
彼女の微笑だけで、この店の雰囲気すらガラッと変わってしまうような感じだった。
……美雪ならば、どうだろうか?
一瞬、亮はそう考えそうになったが、慌ててその考えを消し去った。
「ね、明後日の日曜日、あいてる?」
知子が聞いてきた。
「日曜日? 別に、用はないけど?」
「ホント? わたしも暇なんだ。だから、ふたりでどこか行かない?」
「デート…ってこと?」
「そう!」
「うん、行こう!」
ウェイトレスが、白いトレイにクリームソーダとアイスコーヒーをのせて持って来た。
Bつづく…