レイの神話
□レイの神話…6
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8時5分を過ぎたとき、時計が止まった。
もちろん壊れたワケではない。
「レイ・ドランか?」
妙に落ち着き払って、亮は天井を見上げながら言った。
が……、
「あぁ、そうだ」
そう応えるレイの声はすぐ隣りから聞こえた。
その方を向くと、同じようにベッドに腰掛け、微笑んでいるレイがいる。
「なんか、用でもあるのか?」
亮も微笑みながら言った。
「前に会ったときと違う反応だな……」
レイの口調にはちょっとした驚きもあるようだ。
「そうか?」
「なんか、古い友人と話しているようだ」
「そうだな……なんかさ、会うたびに親しみを覚えていくようでね」
「親しみ、か……」
「あぁ。これから、かけがえのない親友同士になるような……」
「そうか……そう思ってくれるのはありがたい。けど、ボクの本音を聞けば、キミはそうは思わなくなるだろうな」
「わかんねぇよ。…言ってみ?」
「リョウ……、ヒライ・トモコと付き合うのはやめた方がいい」
「……どうしてだ?」
冷静さを失わず、亮は聞いた。
Bつづく…