レイの神話

□レイの神話…?
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・・・?


 【彼】は、ただ闇の中を彷徨っていた。
 【彼】には……少なくとも今の【彼】には、彷徨うことしかできなかった。

 【彼】は、何者かの【力】によって、自分の【力】の発揮を遮られてしまっていた。

 その強大な【力】のため、【彼】は彷徨うだけだった。

 【力】の停止を受けたのは、自分が【かれら】を裏切ったためだというのは判っている。しかし、自分は【かれら】を裏切りざるをえなかったのだ。

『レイ・ドラン……』

 不気味なほどに重々しく響く声が、【彼】……レイ・ドランの中に聞こえてきた。

『レイ・ドラン……おまえは自ら己れの使命を捨てた』

 それは、さながら被告人に死刑を宣告する裁判長のような口調であった。

『己れの使命を捨て、おまえは地球の人間のために【力】を使った……
 地球においてのおまえの使命は、サノ・リョウとヒライ・トモコを結び付けることだったはずだ……しかしおまえは、こともあろうにフジイ・ミユキなどと……
 未知波エネルギーΩ727をもつサノ・リョウと、β272をもつヒライ・トモコを結び付けることにより、未知波エネルギーの中でも最も最大とされるΩ999Xを生み出すことができるのだ!
 それを……何のエネルギー波ももたぬフジイ・ミユキなんぞと……』


Bつづく…
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