短篇小説
□魂のカケラ
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その時の記憶と共に、オレは都合よく彼女の事を消し去ろうとしていたんだろう……
楽になりたかったのか?
重荷に感じていたのだろうか……
消し去る事などできやしないのに…
“アイツ”がその事を教えてくれたんだろう…
そのためにオレたちは出会ったのかな…
なぜ、オレなのか…
ようやく分かったような気がする…
“アイツ”の方はとっくに気付いていたんだろうがな…
今さら後悔している…
過去に縛られ過ぎていた……
捕われ過ぎていた…
もう…
二度と…
失いたくはない…
そんな気持ちで、いっぱいだった…
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