短篇小説
□魂のカケラ
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…最終章…
エピローグ
その時は、突然やって来る……
時間をかけて築いたものほど、いとも簡単に崩されてしまうもんだ。
せっかく、一生懸命造り上げた積み木の塔も、時間とともに片付けられてしまう。
そして、もう二度と同じものは造れない…
繰り返される時間の運命から逃れる術など、ありはしない。
彼女──ユミもまた、繰り返し繰り返し、永遠に回り続けるオレの運命の歯車の一つであったかのように──例外ではなかった……
オレはまた、大事な人を──賭けがえのない、大切な存在を失った…
オレには、たった一人の女を愛し続けることすら、許されはしないのか……
全てを賭けてでも守ると誓ったはずなのに、できなかった…
なぜ、こんな事になるんだ…?
こんな事になるのであれば、始めから出会わなければよかった…
誰かとの出会いを、これほど悔やんだことなどなかった…
何かに後悔するほど、過去に固執するのも、初めての事だろう…
オレにとっては、それほどの女だったんだ…
ユミは──
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