special

□Trick or Treat?
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「先坂くん…あの…す、好きですっ、付き合ってください!」

古典的な告白に、先坂修哉は今日も頭を抱えた。






Trick or Treat?






「…あーごめん、今そーゆー気になんないんだわ」

冷たく返すと、女は何も言わずに微かにうなづいて走り去った。
何か自分が悪いみたいでいい気がしない修哉は、大きなため息をついた。
すると、今度は後ろから声が。

「あの…さ、先坂くん」

またかと、頭に火がついたような苛立ちに、無愛想すぎるほどの態度が出る。

「…何だよ?」

しかし

振り返ると、そこにいたのはニタニタと気味の悪い笑みを浮かべた幼馴染みの丸山梨華。

「アラアラ、幼馴染みを邪険に扱うことないじゃない。この色男♪」

修哉はチッと舌打ちをしてから、梨華の格好に気付く。

「…何だお前その格好は」

「おっ!よくぞ聞いてくれました!」

そりゃあ誰でも聞きたくなるだろう。
梨華は三角帽子に真っ黒い布…おそらく膝掛けのような物を纏って、何やら怪しげな杖を持っている。
この、誰もが制服を着る校内で。

「見ての通りの魔女っ子だよん♪似合う〜?」

たまに突拍子もないことをする梨華の性格は修哉のよく知るところだったが、まさか校内でコスプレとは。

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