special

□Merry Christmas?
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窓の外から、うっすら声が聞こえた。
修哉は寒くて開けるのが億劫ながらも、少しだけ開けて聞くと、それは悪魔の声だった。



「しゅーうちゃーん!」





Merry Christmas?





「何か用か、梨華…」

修哉はうなだれた。
梨華は頭の先から足の爪先まで防寒具バッチリで、顔すらよく見えない。幸い、修哉は長い付き合いから声で判断できたのだが。

「あ、いたいた!寂しいのぉー!モテるわりにはクリスマスはお家で一人かぁ〜」

梨華はケタケタと大声で笑う。

「お前…っ、そんなこと大声で言うなよ!」

修哉はとっさに机の上にあった消しゴムを、梨華目がけて勢いよく投げつけた。
が、梨華はそれをナイスキャッチ。

「サンタさん消しゴムをありがとー!!」

「違…っ!返せ!!」

「そっちが投げたク・セ・に♪」

「あっ!ちょ…待てよ梨華!!」

修哉は慌てて階段を駆け降り、家から飛び出して、スキップで去っていく梨華を追いかけ、腕を捕えた。
梨華はいかにも不服そうな目で修哉を睨む。
その目だけで、修哉は少し圧倒された。むしろマスクにニット帽で目しか見えないのだが。

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