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□レッツ豆まき?
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いつものように何事もなく学校から帰宅していた。
が、すんでのところで、鬼に捕まってしまった。
レッツ豆まき?
「またお前か…」
家の前で腕を組んで仁王立ちしていた梨華は、修哉に気付くと千切れんばかりに手を振った。
「よっ修哉〜遅かったねぇ!」
「いや鬼のお面被って家の前で待ち伏せとかやめろよ」
「何でよ!折角豆まきに付き合ってやろうと思ってたのに!」
「誰がするか!!」
あまりに自分本位な幼馴染みの発言に、頭を抱えるしかない修哉。
だが梨華は平然としている。
「え?修哉んち豆まきしないの?」
「…はぁ?お前この歳でするか普通」
「アタシはやる」
修哉はあぁお前ならな、と頭の中で納得した。
「ま、ええじゃないの久しぶりにさぁ!」
「や、いい予感がしないから遠慮する」
修哉は軽く肩に置かれた梨華の手を振りほどいて、家の中へ逃げ込もうとした。
が、ほどいたはずの梨華の手は目にも止まらぬ凄い速さで修哉の腕を掴んだ。
「何言ってんの、修哉に拒否権はないよん★」
ちらと振り返ったときに見えた不気味なまでに爽やかな梨華の笑顔に修哉は微かに死を覚悟した。