special
□愛のバレンタイン?
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早朝、学校へ行く支度をしながら何気なく携帯を眺めると、新着メール一件。
そのメールを開いて、修哉は青冷めた。
001 02/14 07:12
from:丸山梨華
sub:(non title)
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外で待つ
愛のバレンタイン?
「お!修哉おはよ!」
玄関から出ると、今日は珍しく普通の格好で待ち構える梨華の姿。
「何だよ、朝っぱらから」
「あんさ、修哉人参嫌いだよね?」
「……だから何」
「だっさ!」
「うるせぇ!朝からそれ言うために呼び出したのかよ!」
朝から体力が奪われる気分の修哉。
そんな修哉の前に、突如可愛らしい包みが差し出された。
「ほらよ!アタシが一番っしょ?」
「…何だよこれ?」
「ったく、モテんだから覚えとけよ!今日は聖なるバレンタインデーだよ?」
「や、それは知ってるけど…中身だよ、これの中身、何?」
修哉は包みには決して手を触れずに指差した。
一度触れれば絶対に中身を処理しなくてはならない、なんてことになりかねないからだ。
「ん?ケーキ。人参のケーキ」
「すまん受け取れない」
修哉は素早く梨華の横に反れて通り過ぎようとした。
梨華のくれるものは毎年の結果を平均すると、当たり半分、毒半分といったところなので、今年の見当はつかないが、中身が人参だとすれば恐らく後者だろう。