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□不純異性交遊禁止
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「で?何でこんな時間になったの?」
琉佳の自宅、琉佳は洋平と向き合って座り、笑顔に青筋を立てている。
正直、洋平からしたら恐ろしい。
まぁ…洋平が遊びに行くと言ったのに一時間も遅くなったせいなのだが。
「…あのさ」
「ん、何?」
洋平は恐る恐る口を開いた。
どうやら琉佳は、言い訳を聞き入れる気くらいはあるようだ。
「この前言った幽霊屋敷、覚えてる?」
「幽霊屋敷?あぁ…あれね、アンタが腰抜かしちゃったヤツ」
幽霊屋敷とは、一週間程前に夜に二人で行った心霊スポット。
そういったものが苦手な洋平は、琉佳の言う通り目の前の悪感に引き返すことを要求したのだ。
「覚えてなくていーよ、そんなこと…」
過去の羞恥に攻められる洋平に、琉佳はそれが何?と言いたげな冷ややかな目線をよこす。
「…で、悔しくてもう一回行ってみたんだ」
「…真っ昼間に」
「うっ…」
洋平は痛いところを突かれてしまった。
意味がないかも知れないが、検証に向かうと言っても、夜はやはり無理だったのだ。
そうなると、お天道様が照り輝く昼間に行くしかない。
「それで?」
琉佳は興味なさそうに続きを求めた。
「あぁ…あそこにさ、人が住んでたんだ、女の人が一人」
「…ふーん」
琉佳はテーブルに頬杖をついた。
呆れた、という顔で。