テニプリのお部屋

□★イチゴの刻印
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「もうっ周ちゃんったら、からかってばっかり!!」

素直になれない私の精一杯の照れ隠し。

バレンタインに想いを打ち明けて

周助と恋人同士になって数ヶ月。

肌を合わせたことだって、何度かある。

でもどうしてもまだ『そういう』雰囲気に慣れていない私は、

こうやって誤魔化してしまう。

「からかってなんかいないよ。」

周助の瞳の中には私だけが映っている。

「いつだって、どんな時だって。僕は真剣だよ」

「周ちゃん・・・」

頬がすごく熱くて心臓がドキドキしている。

きっと今の私、顔が真っ赤になっていると思う。

恥ずかしくて、恥ずかしくてたまらない。

こんな顔を、見られたくない・・・

「今夜、泊まってくでしょ?」

「・・・・う・・・うん・・・」

「お風呂、一緒に入らない?」

「うん・・・・・・・って、え?!え〜っ?!?」

周助はスっと自分から体を離し、

私の手を引いて階下に降りると、

キッチンの脇にあるバスタブ用の給湯装置を押した。

「一緒に・・・・って、周ちゃん?」

「たまには一緒に入ろう」

「たまにはって・・・初めてだよ!!」

「ふふっ。そうだったね。イヤ?」

「周ちゃん、ずるいよ・・・・・

そんなふうに言われたら……

イヤなんて……言えない……」

いつもと変わらない笑顔。

私はこんなにもドキドキしているのに・・・

周助に見つめられるたびに、

周助の唇から私の名前がこぼれるたびに、

胸が、張り裂けそうに切なくなる・・・

それなのに周助はサラっと平気で

ビックリするようなことを突然言たりする。

私はいつも・・・周助に翻弄されてばかり。
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