青褐

□日記ネタ詰め合わせ
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劇的ビフォーアフター(ディートリッヒとケンプファーとカインA)



ナレーション:諏訪部順一

…ベルリンに聳え立つ、築120年を迎えた"塔"。老朽化で様々な問題を抱えたこの家に、あの匠が立ち上がった。

亜空間プロデュースの匠、アイザック・バトラー。

匠がまず手を付けたのは、家の顔とも云うべきエントランス。陽も射さず、開ける度に不吉な軋みを響かせていた玄関が一変、明るく緑に包まれた憩いの場所へと生まれ変わった。
何人たりとも侵入させぬ強固な玄関扉は、炭素繊維強化プラスチック製。ロックを解除し扉を開けると、地上数十メートルを一気にぶち抜いた吹き抜けが。太陽光が燦々と降り注ぎ、美しく整えられた室内庭園を温かく照らす。シシオドシの水を受けるのは、匠が自ら工房で焼いた伊万里の大皿。水浴びをする水精が触手を拡げ、来客を笑顔で迎え入

「…イザーク」
「なんだね、人形使い。まだ途中だが?」
「最後まで黙って聞いてる程僕は優しくないんだよ。イヤだよ、クラゲが玄関に居る家なんて」
「…いつも思うんだがね、人形使い、君は文句ばかりだね」
「匠はこんな仕事はしないよ。それにさっき見てきたけど何あの風呂場。全方位丸見えじゃないか」
「男所帯なんだから恥ずかしがる事はないさ。それに生活形態がバラバラな家族にはピッタリな24時間風呂だよ?」
「君さぁ、家族設定好きだよね…とにかく僕はお断わr」
「いや〜いいお湯だったよ、アイザック〜」
「我が君、また髪の毛をちゃんと乾かさずに出ていらっしゃいましたね。お風邪を召されては大事、さ、こちらへ」
「ん〜めんどくさいな〜アイザックが拭いてよ〜」
「ではタオルを取って参りましょう。ああ、人形使い、我が君にアイスをお持ちして。冷凍庫の右端に…おや、人形使い?」
「あれ?ディートリッヒは何処行ったのかな?」
「反抗期でしょうかね…」





糸冬 了
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