漆黒

□SALOME
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私の首は月に

私の目は星に

私の血は 虹になる




ヨカナーン、
お前の象牙色の肌に、その漆黒の髪に触れさせておくれよ
緋色をした柘榴の実に、口付けをさせておくれよ

お前のその口唇に
ヨカナーン





トリブラキャストで遊ぼう企画@


SALOME





配役発表

王子サロメ:ディートリッヒ

預言者ヨカナーン:ケンプファー

ヘロデ王:アントニオ

ヘロディアス王妃:カテリーナ

衛兵隊長ナラボート:ラドゥ

王の小姓:イオン





※作者注
お分りでしょうが偉大なるオスカー・ワイルド作「サロメ」とは
 著 し く 異 な る 表記が満載です。「サロメってこんな話なんだ〜」と間違っても思わないように。大体こんな話です(肯定)
彼らは学園祭のステージ並な事をやっています。観客の皆様方にはどうぞ生温かい目で御覧下さいますよう、お願い申し上げます。



さあ、1ベルが鳴りました。



時は中世、神聖ローマ帝国・ガリラヤ太守、ヘロデ・アンティパス(アントニオ)の屋敷。
ヘロデ王の隣には後妻のヘロディアス王妃(カテリーナ)。彼女は元々、ヘロデの兄の妻でしたが、平凡な暮らしに満足せず、息子サロメ(ディートリッヒ)を連れてヘロデの元へやってきました。
ヘロデにとってヘロディアスは元兄嫁で現妻、サロメは甥であり義理の息子。ところがヘロデは、義理の息子であるサロメの美貌に囚われてしまいます。

こうした一族の不義を糾弾したのが、預言者ヨカナーン(ケンプファー)でした。
王妃であるヘロディアスはヨカナーンを毛嫌いし、夫ヘロデに殺すよう進言しましたが、ヘロデは信仰深かったのでヨカナーンを畏れ、「井戸の底で叫ばせておけばそれで良いだろう」と、ヨカナーンを古井戸に監禁します。



さて、

屋敷では、ヘロデ王の誕生日を祝う宴が開かれております。



今宵は、満月──


屋敷の真上に浮かぶ、大きな銀色の月を仰ぎ、宴席に居た誰かが言いました。

「……見ろ、あの月を。不思議な月だ。どう見ても墓から抜け出した女のよう…まるで死んだ女だ、屍を漁り歩く女のようだ」





──暗転。







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