千歳

□桜花乱舞〜壱〜
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僕らの誰もが正しくなくて、
僕らは誰も間違えちゃいなかった

ただ少し、躓いた

永遠を信じて、戸惑いに濡れた、

僕らは。








桜 花 乱 舞






「くらえ〜!!…リッキービーム!!!!」
……いつも通りのLIVEだった。
唯1つ、僕が後を、JOEの顔を正面から見れないという事だけを除いて…

昨夜、ついに僕は想いを告げてしまったから。

JOEのあの困った様な、泣きそうな笑顔…足元から崩れて行きそうだった。
今この時でさえ立っているのがやっと、だ。
喚きちらして、ステージを降りてしまいたい。
泣いて縋って、忘れて欲しいと懇願したい。
僕はJOEにあんな表情をさせたかったんじゃない。
困らせるつもりじゃ…いや、解ってたんだ。
解ってて、それでも、どうしても、言わずにはいられなかったんだ……

今JOEはどんな顔で叩いてるんだろう…
確かめたいけど恐くて出来ない。
LIVEは終盤に差し掛かっている。終われば言葉を交わすだろう……恐い。

恐い。

逃げ出したい。

このまま何処かへ消えてしまいたい……!

「シュワッ!」
何度目かのジャンプの時だった。
突然躰が宙へと持ち上げられる感覚に襲われた。
視界が反転して、僕は青と赤の渦の中へと引き擦り込まれた。
悲鳴を上げる暇もなく、甲高い耳鳴りがしてきつく目を閉じる。

「Ricky…!」

薄れ行く意識の狭間に、JOEが僕を呼んだ様な気が、した。





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