ロニ

□Thanks SS
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「デュナミス…って、いい名前だよね」



何気ない話題は俺の口からじゃなく。














Dynamis














「なんだよ、突然」

「資質…って、意味だっけ。いいなぁと思って」

「ん…まぁ、そりゃ俺も気に入ってはいるぜ?」



なんとなく向かい合ってたテーブルの向こうで乗り出す彼女。


羨ましそうに俺を見るその目が、可愛いと単純に思える馬鹿な俺。



「自分のファミリーネームだって嫌いじゃないけど、なんかデュナミスって…好きだよ?ルーティさん達のせいかな…」

「あ〜…そりゃあるだろな。でも…俺はそっちのファミリーネームも結構好きだぜ?」

「ん、ありがと」



少し照れたように笑う彼女が頬を赤らめる。


たったそれだけで俺の思った言葉は素直に喉を通り過ぎて声になって出てくる。



昼間の温めの空気も、それはただ甘いそれなんだと変える事ができるのは、俺達自身。俺自身。


この何があるでもない時間を、彼女の思い出として刻む事が俺には出来るはずだろ?



「それに欲しいならやるよ。…って、俺が言える言葉かは分かんねぇけど」

「くれるってそんな…」

「俺達の…ファミリーネームにすりゃぁ、いいだろ」



こんなの、遠回しなプロポーズだって。


彼女は怒るだろうか?それとも喜んでくれるか?



内心汗ダラダラで出来るだけ表情を繕って、彼女を直視する俺にもっと顔を赤くした彼女。



あぁ…言って正解だった。

俺のファミリーネームを欲しがったのはもしかしなくてもそれだったのか?



自惚れでも、それでも俺はそんな反応をくれたこの出来事が何気ない中だからこそ愛しい。



なぁ…今日のこの出来事は

思い出に刻まれたか?










End...
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