†別れ唄〜サヨナラノヨカン〜†

□人魚姫的思考回路
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少女は

叶わぬ恋に落ちました

決して実る事の無い

悲しい恋に落ちました

少女は

住む世界が違うから

自分は愛する人と結ばれ無いのだと

一人思い廻らせ

『私の命を削ってでもいい。あの人の側に居たい。あの人に愛されるなら、私はこの命を投げ出したって構わない…』と思い、愛する彼に自らの想いを告げました。

彼女は

その後

想いを寄せる

彼と

一時の、ほんの一時の、幸せな刻を過ごしました。

けれど少女は

彼に愛されれば愛される程に

何故か悲しくなるのです

何故か?

それは彼女が

「愛される」事に

恐怖を抱いていたから

愛されれば愛される程、いつか来る「別れ」を意識せずにはいられなかったから。

少女は

彼を愛するあまり

大切な何かを

忘れてしまいました。

  『彼の気持ち』

愛するが故の。愛されるが故の恐怖で

少女の心は

脆くも儚く

壊れ始めてしまった

相手を思いやる事さえ忘れてしまう程に…

ある晩

少女は

愛する彼が眠る横で

自らの白く細い首筋に

冷たい刃を当てました

トクトクと流れ出る鮮血

少女は

薄れ逝く意識の中

何故かほんの少しの

「幸せ」を

感じていました。














『いつか離れてしまうなら…私は先に…お空で貴方を待っています。いつか…また…あの空で貴方と…永遠に…永遠に愛し合える事を…祈っ…て…』

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