戦國ストレイズ
□ひたむきな熱情
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犬かさ
リクエストの犬かさ微エロです。
ちょい女の子の日のネタです。
「あれ?かたねは?」
犬千代はいつも見る少女の姿が見えない事に気が付いて声を上げた。
「かさね殿ですか?なんでも具合が悪いらしくて…」
「どうせ拾い食いでもしたんだろっ!これだから意地汚い奴は…」
「こら!内蔵助、犬千代じゃあるまいしかさね殿がそんなことするわけ無いでしょう!」
「犬千代は否定しないのかよ…」
わいわい言い合いをしている内蔵助と五郎左の声も耳に入ってこない。
(かたね…大丈夫かな…)
犬千代の心中はおだやかでは無かった。
あの元気な少女が具合が悪いなど、よっぽどのことではないのか。
犬千代がかさねに対して不可解な感情を抱きだして、もう幾らかの月日が過ぎていた。
かさねと共に居ると楽しい、かさねの笑顔を見れると嬉しい。
一瞬手が触れ合うだけでドキドキして、ふと香る甘い匂いに酔った。
今まで過ごしてきたこの16年間で初めて抱いた感情だった。
はじめは何か悪い病じゃないのか、そう思って川尻様と森様に相談してみたのだが、
二人とも意外そうな顔をした後、嬉しそうに笑って、病気じゃないから心配するなと言ってくれた。
その言葉で安心したのだが、解決策を聞くと、なりゆきに身をまかせろとのこと。
全然解決策になって無くて犬千代は不満を覚えたが大人しく頷いた。
気付いたらいつもかさねの事を考えている。
朝起きればかさねは何処だろう、とか、
昼一緒に居ればかさねの事で頭いっぱいで、
夜別れれば、かさねはまだ起きているのだろうか、どうしているのだろうかなんていつも考えている。
出来ればいつも一緒に居たいけど、やっぱり駄目な時もあって。
それにいつもかさねと一緒に居る時は五郎左や内と一緒で、かさねが二人とくっついてたりするとなんか、すごく……嫌だ。
なんでこんな気持ちになるのか犬千代には分らなかった。
かさねには自分の方を向いてて欲しかった。
二人きりになりたいな、と思う時だってある。
でも、二人きりになったらなったでなんだかドキドキがひどくてよくしゃべれないし…!
「でもかさね殿心配ですね…」
そんな思考の波に陥っていた犬千代だったが五郎左がふとそう溢して、意識を浮上させた。
そうだ、今かたねは具合が悪いんだ。
今どうしてるだろう。
どこが悪いんだろう。
頭が痛いのかな、お腹が痛いのかな。
すごく痛くて苦しんでるのかな、かたね、大丈夫なのかな…?
考え出すと止まらなかった。
犬千代はだっとその場から走りだした。
「犬千代!?」
五郎左の声が後ろから聞こえていたが構ってなんて居られなかった。
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