ここに迷い込んだら、プラウザバック

□馬鹿でいいじゃない
1ページ/1ページ



「アフリカの涙って知ってるー?」


彼女が俺の好きな笑顔でそう聞いてきた。
知らない、と答えると目を輝かせて説明してくれた。
どうやら、アフリカの涙というのは、世界で1番大きいダイヤモンドだそうだ。
しかし、それを手に入れた者は不幸になると言われているらしい…。

「綺麗なんだろうなー…欲しいなぁ…」
「不幸になんのに?」
「欲しい」

そうキッパリと言い切られ、俺は少しひいてしまった。
女というのは、やっぱり宝石が欲しいものなのか。

「それを手に入れたら、早死にするのかもしれないし、死に方が酷いのかもしれない。でも、巣山がいれば大丈夫。私は幸せ」

大人になったら小さくても買ってやろうと考えていた時に、そんな恥ずかしいことを言われた。
俺はカッと顔を赤くさせると、それをからかわれた。




「……その不幸で俺が死んだらどうするんだよ」


「その時は私も死ぬ」




俺が死ぬことを不幸だと否定しなかったことに、少し喜んでしまった。





2008.06.28

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ