置場

□神の祝福
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「11月って怠いよなー……」




突然のことだった。
コイツが11月を否定しだしたのは。
別に、否定すること自体はそんなに悪くない。ただ、何で急にそんなことを言い出したのか分からなかった。
尤も、急に変なことを言い出すのはいつものことだが(その度に俺は悩んでる)

「せめて12月ならなー……」
「あー……クリスマス?」

大晦日もあるよな、なんて行事のことを言ってみる。
でも11月って確かに12月に比べたら何も無くて怠いかもしれない。
でかい欠伸をするお前を見てると余計そう感じてくるよ。

「あ?何がクリスマス?」
「はぁ?」

怠そうな顔で俺を見てくる。
おい、ちょっと待て。お前はいったい何を言っている。

「今が12月なら怠くねぇのにって話じゃねぇの?」
「あー……そういうこと」

間延びした返事をして、また顔を伏せる。俺は納得いってねぇぞ。
ああもう、お前を見てるとこっちも怠くなってきただろうが。
だいたい、そういう意味じゃなけりゃ何なんだ?

「俺は……あれだ」



何だ。



「泉の誕生日が12月だったら良かったなって思ったの」



そっか。俺の誕生日が……って、え?
コイツ今、何て言った?
何で俺の誕生日が11月って知ってんの?あれ?てか……今日?





「誕生日、おめっと」





ポン、と手品で目の前に出された青い一輪の花。
……バラ?

「造花だけどな。青いバラの花言葉、知ってっか?」

ん、と言って花をずいっと俺に差し出す。受け取れってか。
とりあえず、受け取っておく。だいたいヤローがヤローに花贈るってのはどうよ?(造花だけど)


「……知らね」
「だろうな。花言葉は…」



神の祝福

(俺と言う神から祝福してもらったんだ、幸せになれや)
(馬鹿か。誰が神だ)






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