置場

□スクラップ車
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好き、です。



俺、も。







そうやって、始まったのはいつだったっけ。

お互いに恥ずかしくなって、耳まで赤くさせたのは、いつだった?


ぎこちなく手を差し出して、優しく手を握って、笑った。
指を絡ませて、手のあったかさをしっかりと感じていた。
毎日じゃなかったけど、時たま触れる唇が柔らかかった。



好きすぎて、仕方なかった。





「別れ、よう?」



隣にいたはずの良郎は、気付いたら前にいて、私と向かい合っていた。
申し訳なさそうに眉を下げて、良郎はそう言った。


「このままだったら、俺、傷つけちゃうから」



傷つける?そんなの私、平気だよ?
良郎の目は別れたいって言ってる。
ねえ、私の何がいけなかった?
私、ずっと好きでいてくれるように頑張ったと思うよ。
どうしよう、良郎に捨てられたら私駄目になっちゃう。良郎がいないと……。




「ごめん、ね」







貴方ニ捨テラレタラ私ハスクラップニナッテシマウ




2008.11.16

自販機、に提出

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