やっと会える。
そんな気持ちで俺は廊下を歩いていた。
途中で久しぶりー、だとか野球部はずっと練習だった?だの色んなヤツに声をかけられた。
それらをそれなりにあしらい、俺は教室へと向かう足を速めた。
アイツはいつも早く来ているから、このドアを開ければ必ずいる。
そして俺に向かって笑って、おはようって言うんだ。
はよ、って無愛想に返してアイツの頭を撫でる。それが俺。
そんな朝が俺は心地良くて、大好きだった(それに気づいたのは夏休みに入ってからだった)
アイツの笑顔を想像してドアを開ける。俺の横を通って田島と三橋が教室に入る。
誰と認識できるほどではない挨拶を聞きながら、俺は自分の席に着いた。
……あれ?