NARUTO
□影が集まりし時
2ページ/4ページ
次の日、
ナルトは火影の腕に抱かれて水の国に出発した。
一行には、火影とナルトの他には護衛役として三忍が一人である大蛇丸、暗部小隊が一組と、上忍三名が控えていた。
火影が連れに選んだ者達は、比較的九尾の器であるナルトに対して悪意がない者達であった。
そんな中、ナルトの目下の感心ごとは
ぎゅっ
ぐきっ
「イタッ!痛いじゃないのよ、糞ガキ!」
目の前でひらひらと動く大蛇丸の長い髪だった。髪を手に捕らえるとナルトは勢いよく腕を振る。
「手を振るのはやめて、いい加減に放しなさいっ!!」
大蛇丸がヒステリックな声をあげると、ナルトはびたっと動きを止めた。
「まったく、ほら、さっさと離しなさい。」
はぁ…とため息をつきながら大蛇丸はナルトの手を離させようとする。
ぶんぶんぶんっ
「イタッ!痛いったら!」
ナルトはそんな大蛇丸はお構いなしに手を振る。
「すまんの、大蛇丸。ナルトはお前の髪が珍しいのじゃ。」
「ただの髪でしょっ!イタッ」
「ナルトはわし以外の人間に会うことすら、珍しいのじゃよ」
「九尾に恨みを持っている奴らはともかく、自来也とかがいるでしょっ!」
自来也と聞き、火影はため息をついた。
「ナルトが嫌がるのじゃ。わし以外の誰が触れるのものぅ。一度、自来也が抱き上げようとした時に癇癪を起こしてなぁ…。九尾のチャクラが漏れた」
九尾のチャクラと聞き、一行の間に緊張が走る。
「…癇癪で漏れたの?」
「そうじゃ」
「面白いじゃない」
「クレータが出来るからやめておくんじゃ、大蛇丸」
口角を吊り上げて大蛇丸はナルトに手を伸ばした。
そのとたん、ナルトは大蛇丸の髪から手を離し、嫌々と首を振りながら火影に抱き着いた。
「ちょっと、なんなのよ」
「だから、わし以外が「その子が先に触ってきたんでしょっ!」
「…自分からは頑張って触ってみたが、やっぱり人から触られるのは、嫌みたいじゃな」
火影がしみじみと言うと、大蛇丸はきぃっとヒステリックに叫んだ。
その後、ナルトも落ち着き、また髪を引っ張って遊んだが、大蛇丸は何も言わなかった。ただし、痛いので、軟体の術で首を伸ばしていたが…。
正直、見た目的にはホラーだった。
「楽しいかナルト?」
「あぅ『ガラガラみたい♪』」
…今度はおもちゃを持ってこようと火影は決心した。
ちなみに、ナルトの荷物は暗殺が心配なので火影が背負っている。
基本は布おむつ二十枚と粉ミルク二缶と清潔な布、哺乳瓶など赤ん坊に必要な物が入っている。
今回は一月以上はかかる長期任務になるため、ナルトを連れて来た火影だった。