NARUTO

□影が集まりし時
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次の日、

ナルトは火影の腕に抱かれて水の国に出発した。

一行には、火影とナルトの他には護衛役として三忍が一人である大蛇丸、暗部小隊が一組と、上忍三名が控えていた。


火影が連れに選んだ者達は、比較的九尾の器であるナルトに対して悪意がない者達であった。

そんな中、ナルトの目下の感心ごとは

ぎゅっ

ぐきっ

「イタッ!痛いじゃないのよ、糞ガキ!」

目の前でひらひらと動く大蛇丸の長い髪だった。髪を手に捕らえるとナルトは勢いよく腕を振る。

「手を振るのはやめて、いい加減に放しなさいっ!!」

大蛇丸がヒステリックな声をあげると、ナルトはびたっと動きを止めた。

「まったく、ほら、さっさと離しなさい。」

はぁ…とため息をつきながら大蛇丸はナルトの手を離させようとする。

ぶんぶんぶんっ

「イタッ!痛いったら!」

ナルトはそんな大蛇丸はお構いなしに手を振る。

「すまんの、大蛇丸。ナルトはお前の髪が珍しいのじゃ。」

「ただの髪でしょっ!イタッ」

「ナルトはわし以外の人間に会うことすら、珍しいのじゃよ」

「九尾に恨みを持っている奴らはともかく、自来也とかがいるでしょっ!」

自来也と聞き、火影はため息をついた。

「ナルトが嫌がるのじゃ。わし以外の誰が触れるのものぅ。一度、自来也が抱き上げようとした時に癇癪を起こしてなぁ…。九尾のチャクラが漏れた」

九尾のチャクラと聞き、一行の間に緊張が走る。

「…癇癪で漏れたの?」

「そうじゃ」

「面白いじゃない」

「クレータが出来るからやめておくんじゃ、大蛇丸」

口角を吊り上げて大蛇丸はナルトに手を伸ばした。

そのとたん、ナルトは大蛇丸の髪から手を離し、嫌々と首を振りながら火影に抱き着いた。

「ちょっと、なんなのよ」

「だから、わし以外が「その子が先に触ってきたんでしょっ!」

「…自分からは頑張って触ってみたが、やっぱり人から触られるのは、嫌みたいじゃな」

火影がしみじみと言うと、大蛇丸はきぃっとヒステリックに叫んだ。



その後、ナルトも落ち着き、また髪を引っ張って遊んだが、大蛇丸は何も言わなかった。ただし、痛いので、軟体の術で首を伸ばしていたが…。

正直、見た目的にはホラーだった。

「楽しいかナルト?」
「あぅ『ガラガラみたい♪』」

…今度はおもちゃを持ってこようと火影は決心した。


ちなみに、ナルトの荷物は暗殺が心配なので火影が背負っている。

基本は布おむつ二十枚と粉ミルク二缶と清潔な布、哺乳瓶など赤ん坊に必要な物が入っている。

今回は一月以上はかかる長期任務になるため、ナルトを連れて来た火影だった。
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