立海部屋

□最高の記念日
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「はぁ…」

「どうしたんじゃ?」

「いえ…」

仁王君に余計なことを言うものなら何をしでかすか分かりませんからね。

「どうせ誕生日の事じゃろ?」

「さぁ?」

「そんな心配せんでもよかよ。」

「くれぐれも余計な事はしないで下さいよ。」

「なんじゃ折角、いつまでも告白できんお前さんの為にと思って考えてやったんに。」

「余計なお世話です。」

仁王君はいつも一言多いんですよ。

「ククッ、早くものにせんとみんなやっきになってチャンスを伺っとるよ。」

「…そんな事、分かってます。」

分かってはいるのですがなかなか上手くいかないんですよ。それに貴方もその一員でしょう。

「ふ〜ん。まぁ恒例の誕生日パーティー、部室であるから楽しみにしときんしゃい。」

はぁ…何も起こらないといいのですが。





ー部活後ー

「「「「「柳生(先輩)誕生日おめでとう!!」」」」」

「いつも有り難う御座います。」

「気にするな。今日はお前が主役なのだから楽しめ。」

「真田君…。」

本当は貴方だけに祝って欲しかったのですが…高望みし過ぎですね。

 
「只、騒ぎだいだけの奴もいるがな。」

「フフ、まぁ羽目を外し過ぎないようにしないとね。あ、そうだこれは俺から。」


「幸村君、有り難う御座います。」

「読んでみたいって言ってたからそれにしたんだけど。」

「えぇ、買いに行こうと思っていた所でした。嬉しいです。」

「そう、それは良かった。」

「これは俺から…」

その後、丸井、ジャッカル、切原と渡していき残るは仁王と真田、柳だけになった。

「次は俺か。俺からはこれだ。」

フッ…

電気が消され部屋は暗くなった。

「これは俺からじゃ。」

仁王は柳生の耳元で囁いた。

「んっ!!」

その瞬間柳生の唇に何かが当たった。

こんな事をするのは仁王君ですね!!

バッシーン!!

柳生は思いっきり平手打ちをした。

音のあと周りは静まり返っていた。
我に返った柳が電気をつけて柳生が目にしたものは頬を押さえて立っていた真田の姿だった。

「えっ?」

何で真田君が?

「す、すまん!!」

真田は居たたまれなくなり部室を出た。

「え?真田君!?」

「ちょい待ちんしゃい。」

「なんですか!!」

 
「俺のプレゼントはあんなに思いっきり叩くほど嫌だったんかのぅ。」

「あんな紛らわしい事しないで下さい!!」

「クク、喜ぶと思ったんじゃが。」

「兎に角、通して下さい。」

「ダメじゃ。」







「弦一郎…」

「蓮二か。すまなかったな。途中で抜けたりして。」

「大丈夫か?」

「んっ…問題ない。」

柳はハンカチを濡らし真田の頬に当てた。

「弦一郎…」

「俺なら大丈夫だ。お前は戻っていいぞ。」

「そんな悲しそうな顔で笑うな。」

柳は思わず真田を抱き締めた。

「れ、蓮二?」

「そんなにショックだったのか?柳生に拒まれた事が。」

「っ!!」

「弦一郎?」

「…当たり前ではないか。仁王が成功するといったからこの話に乗ったのだぞ。成功する所か嫌な思いをさせてしまった…。」

「そんなに落ち込むな。」

「…無理だ。お前は知っているはずだぞ。俺がどの様な気持ちであの話に乗ったのか。」

「何故だ?」

「忘れたのか?相談したではないか。柳生の事が好きなのだと。」

「………。」

「蓮二?」

「本当ですか?」

「え?」

「本当に私の事が?」

 
「や、柳生?!」

「すみません。仁王君に柳君の変装をしていけば真田君の本音が聞けると言われたものですから。」

「仁王か。後でどうなるか分かっているんだろうな。」

真田は独り言のように呟いた。

「そんな事より先程の本当ですか?」

「………。」

「真田君?」

「すまん!!嫌な思いさせた…。」

「嫌な思いだなんて。嬉しかったですよ。」

相手が真田君と知った時は。

「嘘をつくな。あの平手には憎しみが込められていたぞ。」

「それは仁王君だと思ったからです。」

「…仁王とそういう関係なのか?」

「そんな訳無いじゃないですか。そういう関係なら真田君か仁王君かの違いぐらい分かりますよ。」

「む、それもそうだな。」

「仁王君の事はどうでもいいです。真田君、私は貴方の事が好きです。貴方は私の事どう思っていますか?」

「…好きだぞ///」

「有り難う御座います!!今までで最高のプレゼントですよ!!」

「お、大袈裟ではないか?」

「何を言っているんですか。貴方が私のものになってくれるというだけで他に何も入りませんよ。」

「フッ、欲の無い奴だな。」

 
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