キリリク部屋

□彼氏になるのは俺(様)だ!!
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「真田 弦 三学年B組 五月二十一日生まれ A型 好きな色は黒、グレー 好きな食べ物 なめこのみそ汁、肉 趣味 将棋、書道…これで俺が調べたのは全てだ。」

「そうか。ご苦労様。」

「それでどうするんだ?」

「フフ、勿論マネージャーになって貰うよ。」

「………。」



月日はさかのぼり一週間前。

「柳、あそこのテニスコートで打っていかない?」

「別に構わないが。」

此処はとあるテニスコート。
幸村達は練習試合の帰りだった。完全燃焼出来なかった幸村は柳を誘いテニスコートへ。
自然と立海メンバーもついて行く。

しかしそこには先客が。

【パーンッ!!】

「うわ、凄いね。」

「あぁ、素人ではないだろう。」

【バシュッ!!】

「ゲームセット ウォンバイ 跡部!!」

「はぁはぁ…また負けた…。」

「アーン?当たり前だろうが。」

「むぅ…」

「そう落ち込むんじゃねぇよ。女で此処まで出来りゃ大したもんだぜ。」

「…女扱いするな。」

「実際女だろうが。」

「…男に生まれたかったのだ…。」

「そいつは俺が困る。」

お前が男だったら付き合えねぇじゃねぇか。

 
「む、何か言ったか?」

「いや、そろそろ帰るか。」

「うむ。」




「女の方ばかり見てたけど相手氷帝の跡部じゃない?」

「そうみたいだな。」

「やぁ、跡部。こんな所で何してるんだい?」

「げっ…」

「げとは酷いな。」

「フン。別に何もしてねぇよ。行くぞ、真田。」

「…うむ。」



「あ〜行っちゃった。真田か…。」

幸村がよからぬ事を考えている確率100%

「よし、あの子をマネージャーにするよ。」

「「「「「はぁ?!」」」」」

その場にいた誰もが幸村の放った言葉に驚いた。

「幸村、あの子が立海の生徒かも分からないぞ。」

「あの子は立海の生徒だよ。」

「何故、分かる?」

「見覚えがあるから。」

「間違いなく立海の生徒じゃよ、真田は。」

「仁王、知ってるのかい?」

「同じクラスじゃき。」

「へぇ。知らなかったな。」

「影薄いからのぅ。」

影が薄いって言うより存在いや気配を消してるって言った方が早いかの。

「でも今までよく気付かなかったな、あんなにテニスが上手いのに。」

知ってたら速攻ものにしてたのに。
だってテニス上手い上にあんなに綺麗なんだよ?

 
「まぁ、何はともあれ調べる必要があるね。柳、任せたよ。」

「承知した。」



そして今に至る。


「後さ、跡部との関係はどうだったの?」

「幼なじみみたいだな。真田の家は名家で跡部とは家ぐるみの付き合いだ。」

「そうか。」

まぁ、恋人同士じゃ無いだけましか。

「それでどうやって誘うんだ?」

「勿論、直球勝負だよ。」

幸村は三年B組に向かった。

「真田さん、ちょっと話があるんだけどいいかな?」

「む、俺にか?何だ?」

「此処じゃなんだから場所変えようか。」

「公の場で出来ん話ならば聞くことは出来んな。」

「うわ…、あの幸村に言い返すなんて命知らずだぜぃ。」

なんやかんやと言いながら興味がある立海メンバーは遠巻きに傍観していた。

「フフ、じゃあ単刀直入に言うけど我が立海テニス部のマネージャーをしてくれないかな?」

「無理だ。」

即答?

「少しぐらい考えてくれても…」

「無理なものは無理だ。」

真田は考える余地はないとばかりに言い放った。

「何で無理なのかな?」

 
「何故、そんな事を教えねばならんのだ。テニスはせん。それで良かろう。」

真田は教室を足早に去って行った。

「う〜ん。手強いね。」

「しかし分からないな。あんなにテニスが上手いのに女子テニにも入っていないのだから。」

「そうだね。取り合えずば様子見で各自誘える時は誘って。特に仁王、同じクラスだからチャンスはあるはずだよ。」

「はいはい。」

仁王はどこから見ていたのか分からないがヒョイと現れて気のない返事をした。

そして皆が誘い始め一週間程過ぎた頃。

「あっ真田!!」

「む、またお前等か。」

「なぁ、マネージャーなってくんねぇ?」

「だから何度言わせるのだ!!」

「だってお前がいると部活の志気も上がると思うんだよ。」

「そんな事は俺の知った事ではない!!」

「じゃあなんであんなにテニス上手いのにテニス部に入んねぇんだよ。」

「っ!!…俺のテニスを見たのか?」

「へ?覚えてねぇの?」

「…知らん。いつ見たのかは知らんがテニスには関わらない。だからもう誘わんでくれんか?」

「………。」

 
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