NOVEL 海賊

子供恋愛相談室
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「あんた達、仲がいいのは結構だけど、そこらへんでやってないでしょうね。」

夕方のキッチンで夕飯の支度をしていたサンジはナミのあからさまな言葉に思わず手にしていた鍋のふたを床に落とした。にぎやかな音にちらりと視線を投げてから、ナミは手にした羽ペンをルフィの目の前に突きつける。

「昼間っから甲板なんかでやってるところ見つけたらただじゃおかないわよ?」
「…何を?」

チーズケーキを頬張り、むぐむぐとフォークを咥えたままルフィは白い羽ペンの先を見つめる。

「セックスよ。」
「ナ…ナミさん…。」

女好きのくせに妙なところで純粋なコックが頬を赤らめながら困ったような顔をする。一方のナミは平然とルフィに視線を定めたまま、目顔でどうなのと問いただす。

「…やってねぇ。」

こくりと口の中のものを飲み込んであっさりとルフィが答えた。確認するように目を眇めてからナミは手元の航海日誌に目を戻す。

「そう。それなら別にいいのよ。いつも言ってるけどあんまり船の風紀みだすようなことしちゃだめよ。」
「…やっぱり、普通はもうしてるもんなんか?」
「…?」

ぽつりとつぶやくルフィの言葉に落とした視線をもう一度上げる。そこには眉を顰めて口をへの字に結んだ、拗ねたようなルフィの顔があった。
サンジもおたまを手に不思議そうにルフィの方を振り返った。

「…やってないって…もしかして、一回もってこと?」

ナミの言葉に顰め面のままルフィがこくりと頷いてみせる。

「…嘘。」
「…嘘じゃねぇ。オレ、ゾロとまだえっちしたことねぇんだ。」
「「…」」

あまりに意外な言葉に黙りこくる二人の顔を上目遣いに見てルフィが聞く。

「やっぱ、それって変なんか?」

しょんぼりと肩を落とすルフィを前にサンジとナミは互いに顔を見合わせた。

ルフィがゾロと恋人になったと派手に宣言してから半月近くたっている。夜、ゾロが酒を飲んでいる甲板にルフィが一緒にいるのを見かけたり、ルフィの見張りの夜ゾロが結局船室のソファに姿を見せなかったりなどということが普通にあったので、まあ、あまりあからさまにならない限りは目をつぶってやろうとクルー達誰もが思っていたのに。
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