倉庫

終わりまで
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永遠に続くかに見えたバカ騒ぎもだんだんと終わりに近づいている。
あちらこちらでごろごろと眠る酔っ払い達を横目に見ながらルフィはゆっくりと歩を進める。

まだそこらじゅうで燃えている火や、いまだに聞こえている調子はずれの歌や喧騒からどんどん遠ざかっていくと、プールサイドの木にもたれて一人杯を傾けているゾロの姿があった。

いつもこうした宴では酒豪達と楽しそうに酒を酌み交わしているゾロだが、たいてい終わりのほうにはこんなふうに一人静かな場所で飲んでいることが多い。

遠く燃える火をぼんやりと眺めているゾロに足音を消すこともなく無造作に近寄る。
自分にとっくに気づいているであろう剣士は、すぐ脇に立っても目をあげようとはしなかった。それでも特に拒絶されている気配も無いので短く刈った髪を見下ろしながら静かに聞いてみる。

「なあ、黒い奴、どうかしたのか?」

今日の午後、海軍に切り込んできたゾロの手には白と真紅の二本の刀が握られていて、ルフィは少し違和感を覚えた。

問いかけにもやはり視線を上げることも無く杯を横におくと、ゾロは黙って雪走りを鞘から抜いた。
掲げてみせたそれは刀身の半分以上が消失し、もはや刀と呼べる状態ではなくなっている。

「…折れたのか?」
「いや。」
「直るのか?」
「…無理なんじゃねぇかな。」
「…そか。」
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