ぱられる

ヒミツなふたり 
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「…は、ちょ、無し!!高杉っ!今の無しなっっ!!」
「いや、無しにはなんねぇだろ」

晋助はやきそばパンを頬張りながら表情一つ変えずに答える。

……なんだ?なんか…変だ。
こいつは人の揚げ足とったり弱みに付け込むのがそれこそ三度の飯より好きっていう性悪な奴で、こんな美味しいネタを掴んだらもっとこう違ったリアクションをするはずなんだけれど。
銀時もおそらく同様のことを感じたのだろう、もくもくと咀嚼を続ける晋助を気味わるそうに見つめ、やがて困惑したように俺に視線を向けてきた。だが俺にだって晋助が何をたくらんでいるのかなんて見当もつかない。

「……意外だったな」

内心戦々恐々の俺達をよそにのんびりとやきそばパンを食い終えた晋助は指についたマヨネーズを舐めながらぼんやりした顔でつぶやいた。

「「…は?」」
「―いや、お前らってもうとっくにヤってるとばっかり思ってたから」

涼しい顔で放たれた言葉に俺は絶句し、銀時は口に含んだばかりのイチゴ牛乳をだーっと顎にしたたらせた。

「うぉ……今度はこっちか…なんなんだてめーらは」

晋助が嫌そうな顔をして銀時から少し体を離す。
いや、なんなんだはこの場合こっちのセリフだろう。

「な…!何言ってんだ高杉てめーっ!?」

銀時がイチゴ牛乳でベタベタの顔で大声を上げる。俺は弁当箱の下にひいてあった包みをひっぱり出して銀時に手渡してやった。

「ぎん。制服」
「あぁ?…うお!?やべっ!!」

顎から滴った液体がシャツの襟元にじわじわと染みを広げている。慌てて弁当の包みでそれを拭っている銀時を横目に見ながら俺はため息をついた。
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