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幸村くんの彼女






あたしの彼氏は、その、すっごくすっごくかっこいい。し、素敵だ。

頭良いし、笑顔綺麗だし、制服綺麗だし、テニスやってるとこなんて、やばぃっやばすぎる!

どっかの奇声発してる女子達は儚いーだとかいまにも消えそうーだとか守ってあげたいーだとか言ってるけど、

幸村くん殺す気ですか?
って感じ。
最強魔王サターン幸村さま舐めんな。
素敵なんだぞ。



今日も幸村くんの席まで走る。同じクラスの同じ教室なのになんで走るかって?

それはこの媚び売ろうとする女達を蹴る為。

あたしが幸村くんの彼女だってこと、理解させるためでもあるし。



「幸村くん!マイだぁりん幸村くんっ!」

「散れ」



ぐはっ
教科書を顔面に叩き付けられる。走りながら来たせいか勢いが付いていたのでもっと痛い。

周りの女子達は痛そうな可哀相な目をしてささっとあたし達をさけた。



「ふはっそうよっ!
理解すればいいのよっ?理解すればっ!」

「五月蝿い黙れ腐れ息しないでくれるかな?」

「あとから優しく確認したって無理だよ幸村くん!?それに途中明らか関係無い単語でてきたよ!?」

「あははごめんね。つい本音が」

「幸村くぅぅん!!」



幸村くんいますっごい聞き逃しちゃいけない言葉言った?

まあそんな幸村くんも大好きだし愛してるけど!

こんなこと言われても愛にしか思えないあたしってなに?

やっぱり幸村くんしか愛せないんだねきっとあたし!



「ねっ幸村くん!
あたし幸村くんの彼女でよかった!」

「俺はお前の彼氏になってからイライラすることが多くなったよ!」



笑顔で吐き出す幸村くん。
そんな幸村くんもかっこいい!

ほら女子共!見るが良いわ!あたしと幸村くんのらぶらぶっぷりを!

そんなうらやましそうに見てもあげないよ!てか幸村くんはものじゃないよ!

幸村くんはメイドinあたしなのよあはあはは!



「お前きもいよ」

「いやぁだって幸村くんが好きすぎて…って幸村くんどこ行くの!?」

「そこの女子に呼ばれたから?」



幸村くんの指差す方には明らかに幸村くん大好きですオーラ出してる女の子。

あ、こっち見た。



「睨ま、れた…!」

「あははよかったねじゃあバイバイ」

「一息で言わないで幸村くん!ついでに行かないでぇ!」



なんて思いも虚しく幸村くんはあの睨み女(名称決定!)の元に爽やかな笑顔で行ってしまいました。

幸村くんのばか…!

けど好きよ!

あは言っちゃったあはあは!



なんて思ってたら突然肩を叩かれた。

なんだよーあたしと幸村くんを妬む女子共?はっあたしに喧嘩売ろうなんて死んでも無理だよぶぅわーか!

とか思って振り返ったら全然違う男子だった。



「ちょっといい?」

「なに?同じクラスの…えーとんーと山並くん」

「山崎だよ。話あるんだけど…」

「うん山橋くんね。なに?」

「あの、山崎だよ俺。
…あのさ、俺と付き合わない?」



…山口くんなに言っちゃってるんですか。

あたあたあたあたしと付き合う?

あはは動揺なんかしてないよ別に!

あたしなんかと付き合ってくれる人いるんだぁあはあは!

とか思ってないよ別に?
でも幸村くんがこんなだったらなーとかも思ってないからね別に!



「…聞いてる?」

「!ああはいはい。聞いてるよ山杉くん。あたしとつき合いたいんだよね!?」

「だから山崎だってば。…幸村、いつもお前のこと酷い扱いしてんじゃん。…そんなんより、俺にしない?」

「…山中くん…」



だから山崎だってば。
って言う山谷くんの声が聞こえた。

…ひどい扱い?誰が、誰に…?

幸村くんがあたしに?

…ざけんな山梨。



「あたし、幸村くんからひどい扱いなんて受けてないよ。」

「…え?」

「だから、山原くんとは付き合っ…うわっ」



話してる途中に急に腕を引っ張られた。

人が話してる途中になんじゃぁ!?
って言おうとしたらその本人は幸村くんだった。



「ゆ、きむらくんっ!?」

「幸村!」

「やあマイハニーに山。なに俺の彼女口説いてんの?」



覚悟できてんの?
またまた爽快な笑顔で言う幸村くん。なんだか怒ってる…?



「ほら行くよ」

「ちょっ幸村くん!ってことでばいばい山武くんっ!」


あたしの腕を引っ張りながら山道くんとは反対の方にスタスタ歩いてく幸村くん。



「だからお前ら真面目に俺の名前呼べよぉぉぉ!!!!」



山田くんの叫び声が聞こえた。





しばらく歩いた後、幸村くんはぴたっと歩みを止めた。



「お前何口説かれてんの?お前俺の彼女だよね?なに戸惑ってんの」

「戸惑ってないよ!ただ山田くんが、幸村くんは 酷いやつ的なこと言ってたから一発渇を入れてやろうかと…っ幸村くん!?」



山田くんにイライラしながら言おうとしたら、抱きしめられた。

幸村くん…?

周りの女子共のいつもとは違う奇声が耳に入る。

いつもとは違う幸村くんに胸が高鳴る。



「…俺以外になびくなよ」

「幸村くんっ」

「お前は俺の彼女だろ」


抱きしめる腕に力が入る。

あたしはぎゅっと幸村くんを抱きしめ返した。



「幸村くん以外好きになんかなれないよっ!」

「うん」

「幸村くんが一番大好きだよっあたしは幸村くんの彼女だもんっ!」

「当たり前だろ?」



耳元で幸村くんはふっと笑った。

幸村くん、大好きだよっ愛してるよ!

って言えば、小さく、俺も。って聞こえた。



あー今日のでもっともっと更に幸村くんのこと大好きになった!



「幸村くんいますぐ結婚しようっ!」

「やだね」



今日も幸村くんの彼女ことマイハニーは幸村くんにまとわりついてますっ!



拍手ありがとうございます。


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