虚空がもし、見えるのならば

□第二話 学校
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「あの、私男子の制服とか持ってませんけど……」

「それがないと入れないのか?」

 現代オンチというか、何も分かっていないらしい。少し違和感は感じたものの、学校に遅刻しそうなことに頭がいっぱいで大して気に留めなかった。

「はい」

「とりあえず一番偉い奴に会う」

 それって校長先生のことだろうか。

「いきなりですか!? ちょっと待って下さいよー。私は『不審者を誘導した女子高生』になっちゃうじゃないですか!」

「なにわけのわかんねえこと言ってんだ? 俺はその『せいふく』とやらをもらいにいくだけだ」

 人はそれを穏やかな強奪と言います。

 ただ、私の拙い語彙力と知識では彼を説得できませんでした。無念です……。
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