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□目を覚ました世界
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闇の地に訪れた
人外なるその天使

眩く光る翼を武器に
全てを護り愛したと

愛の守護霊なる天使
金の瞳に雪の銀髪

望みを統べる金の瞳の君
あぁ、私の元へ、舞い降りれ

第一話 目覚めた世界は

「・・・??」

ゆっくりと目を見開く。
鉛のように重い体を起こし、辺りを見渡した。
見る限り、ここは医務室の様だ。

「誰かいらっしゃいませんか・・・?」

そうつぶやいた。

「誰ですか!?こんな朝早くに私を呼ぶのは!」

意外にも、きえの呟きは、誰かの耳に入ったようだった。
不機嫌なのはみずとも分かる。
ドタドタと足踏みしながら、その人は来た。

「本当に、声をかけるにも時間帯を・・・」

その人はきえを見るに、絶句した。

「校長先生を、呼ばなく、ては・・・!!」

虎に追われたウサギの様に部屋から出ていくその人。
きえは訳がわからず、ベットの上でただ座っていた。
続いて、複数の人物の足音が聞こえてきた。

「校長先生!!あの子が目を覚ましましたよ!!」

「知っておるよ、ポピー。そんなに焦らずともあの子は逃げたりせん」

「まあ!あの子は今回を除いて2度も起きてはまた眠ったのですよ!今回もそうかもしれないじゃありませんか!!」

「分かった分かった!この老いぼれも走るとしようかの。ほっほっほっ!」

怒られながら笑うなんて、おかしな人だときえは思った。
開け放たれた大きな扉から、先ほどの人と、立派な顎ヒゲを生やした、いかにも長老、と言うような姿の年配者がやってきた。
光沢のある絹のローブを何重にも重ね、透き通った青い瞳は、医務室の灯りを反射し、キラキラと輝いている。

「っ・・・」

「そんなに緊張しなくても良かろう。何事もリラックスじゃよ、きえ」

少しその老人は笑った。
なにが愉快なんだろうか。
そして、なんで私の名を知っているのか。
朗らかなその笑みの後ろに潜む、途方も無い魔力の塊に、きえは本能的に気付いていた。

「おお、そうじゃ、自己紹介がまだじゃったな。」

老人は手のひらにこぶしを軽く打ち付ける。

「わしは、アルバス・ダンブルドアじゃ。よろしく頼もうぞ。」

ニコニコと笑みを絶やさず、きえへ握手を求める老人−−およびダンブルドア−−は反応を待った。

「きえ・金平です・・・よ、ろしくお願いします」

どもりながらも言葉を紡ぎ出す。
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