長い夢を見る
□憂鬱に赤子が来たようで
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夕方、
ボクは適当に人間を襲ってから帰ろうとしていた。
そこで、何となくいつもは入らない路地裏へと足を踏み込んだ。
こんな道もあるんだなァ、とか考えながら、普通に帰ろうとしていると…
「………
……何、コレェ」
人目の付かない場所、明らかにこんな所に置いてはいけないモノが、其処にある。
「何で人間の赤ちゃんがこんな所にいるのさァ…」
そこには、毛布にくるまれ、籠の中に入れられた赤子が居た。
どうでも良い、とその場を去ろうとすると、捨てられたであろうその赤子は、まるで引き留める様に小さな声を上げる。
…別に、人間なんてどうだって良い。
でも、この赤子は…
「…しょうがないなァ……」
赤子が入っている籠ごと、抱え上げる。
どうやって育てるかなど、よく知らない。
とりあえず帰れば何とかなるだろう、と考え、ボクはその赤子を連れ帰った。