rak buku

□mon amour
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高校、大学の先輩と待ち合わせをしている。

ただいま千葉県舞浜、
彼女と待ち合わせをする時は
いつも緊張して30分前に着いてしまう。


「やっぱり居た」


そう言って待ち合わせ25分前に
微笑みながら近づいてくる彼女、


「名前くん、おはよう」


「友香さん、おはようございます」


「もうお互い学生じゃないんだから
敬語じゃなくていいって言ったでしょ」


高校の時からの先輩なので敬語が抜けない僕

そうやって注意する彼女すら可愛いと思ってしまう。





友香さんは大学生になって、アイドルになった。

今日は番組の景品で貰った
ディズニーのペアチケットがあると
僕のことを誘ってくれたのだ。


友香さんは今では日本を代表するアイドルの1人だ。
僕なんかを誘ってくれるのは
非常にありがたい。

こんなことになるなら高校生の頃に
想いを伝えてよけば良かった。

仲のいい先輩、後輩という立場は
楽で楽しい、友香さんの傍にいられる
最善の策だと思っていた。


「じゃあ行こっか」


そう言った友香さんについて行く。


「ランドにする?シーにする?」

貰ったチケットはどちらにでも入れるようだった。


以前、友香さんがシーの方が
好きだと言っていた気がする。


「シーにしましょう」


そう返事をすると友香さんは

「そうしよっか」

と笑顔で返事をしてくれる。
もし私がランドと言っていても、
同じように返してくれただろう。

友香さんはとても優しい人なのだ。
しかし、6年来以上の付き合いになる
僕はシーを選んで正解だった
と友香さんの反応を見て確信する。

伊達に長い間片想いをしていない。
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