Jendela

□roast
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今日は撮影。
1期生さん達が先に呼ばれ
2期生だけが楽屋に残された。

一人称は部屋の隅で
いつものように本を読んでいる。

隣で菜緒が本を読んでいるのも
いつも通りの光景だ。

美穂は大きな声で
ひよたん達と寸劇をしている。
彼女達に混ざって行けるほど
一人称の社交性は高くない。

「美穂様に反する河田陽菜!!」

ひよたんの声って通るなぁ
そんなことを考えながら本を読み進める。




そんな楽屋の様子が
ひらがな推しの収録で流された。

隠し撮りをされていたらしい。


「名字と小坂はいつもあんな感じなの?」

若林さんが一人称に話を振る。
正直、菜緒に答えて欲しい気もするが
一人称がテレビに映ると
嬉しいと握手会で言ってくれた
ファンの人がいたから頑張って話す。


「はい、いつも2人で本読んでます」

一人称が隣に座る菜緒の方に
目線を向けると菜緒もこちらを向いていて
微笑んでいた。

ほんとに可愛い妹だ。

一人称も微笑み返す。

「仲良いねぇ」

私達の様子を見て春日さんが大きな声で言った。

一番端に座る美穂の顔は見えないが
機嫌があまり良くないということは
美穂の方から放たれているオーラで分かる。



「テープチェンジ入りまーす」

スタッフさんの一声とともに
撮影は中断、いい頃合いということで
休憩を挟むこととなった。

一人称は
美穂の元へ向かうことにする。

美穂がさっき座っていた席へ目を向けると
そこにはポツンと寂しそうな
椅子だけが残されていた。
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