Jendela

□同い年の先輩
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「おはようございます」

一人称は楽屋に入ってすぐ挨拶をする。

「名前ちゃん、おはよう」

いつもの天使のような笑顔を浮かべ
河田さんがドアのところまで寄ってきてくれた。

「河田さん、おはようございます」

ひなのと2人で3期生として
けやき坂に配属された一人称。

1番初めに話しかけてくれた先輩が河田さんだった。


「同い年だよね」

ほわほわとした喋り方で
そう言ってくれたのを鮮明に覚えている。

「何か食べる?」

未だにケータリングがある環境に
慣れない一人称にあの日と
変わらない喋り方で話しかけてくれる。

「甘いものって有りますか?」

一人称がそう言うと、
シュークリームの前まで手を引いてくれた。

一人称はひとつを手に取って
楽屋の中央に置かれた長机へと向かう。

荷物を置いて椅子に座ると、
一人称の膝の上に
対面するように河田さんが座ってきた。

至近距離でえへへと笑う小動物のような
河田さんを見ていると
なんて可愛い人なんだと思う。


「急にどうしたんですか?」

一人称があたふたして質問すると

「同い年だし、そろそろ
陽菜ちゃんって呼んで欲しいなぁって」

同性の一人称ですら
クラクラしそうなほど可愛い。

少しの間だが、関わってわかったのは
これが養殖ではなく天然だということだ。

これ程アイドル適正の高い人もいまい。


「前にも言いましたけど
ひなのが呼び始めたらいいですよ」

以前にも伝えたことを再度伝える。

「どうして?」

小首を傾げる河田さん。



「…だって恥ずかしいし…」

一人称が応えると
可愛いと言って河田さんは
一人称に抱きついてきた。
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